【ようこそ!あかちゃん】サンプル
![]() | たなか ななこちゃんへ うまれてきてくれてありがとう。 げんきでやさしいこにそだってね。 2008年1月吉日 パパとママより |
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![]() | ようこそ! ななこちゃん ようこそ! あかちゃん なかえよしを・作 上野紀子・絵 クリエイト・ア・ブック |
こうのとりが ななこちゃんを おとうさんの いちろうさん おかあさんの はなこさんに とどけるために とうきょうに むかって とんで いました。 「ななこちゃんが うまれる 2008ねん1がつ1にち ごぜん10じ00ふんまでには まだ だいぶ じかんも あるなあ。 ちょっと ひとやすみして いくかな。」 こうのとりは ずっと とびつづけて いたので つかれて いたのです。 | ![]() |
![]() | こうのとりは きれいな おはなばたけに まいおりました。 「きもちのいい おはなばたけだ。」 こうのとりが そういって やすんでいる あいだに ななこちゃんは はいはいして おはなばたけの さんぽに でかけました。 |
ななこちゃんが おはなばたけに はいって いくと そこに きれいな ようせいの おうじょさまが あらわれました。 「ここからは ようせいの くにですよ。 ようせいで ないと はいれませんよ。」 ななこちゃんは なんの ことだか わかりません。 すると ようせいの おうじょさまは 「ななこちゃんを ようせいに して あげましょう。」 と いって つえを ふりました。 | ![]() |
![]() | すると ななこちゃんの せなかに かわいらしい はねが はえました。 はねが はえると そこに ちいさな はなの ようせいが あらわれました。 「わたしが ようせいの くにを あんないします。」 ななこちゃんは はなの ようせいの あとに ついて おはなばたけの うえを とんで いきました。 |
「ようせいの くにの おともだちに しょうかいして あげましょう。」 はなの ようせいは ななこちゃんを みんなの ところに つれて いきました。 「みなさーん あたらしい ようせいの ななこちゃんですよー。」 おはなに たくさん ちいさな ようせいたちが あつまって きました。 あたらしい おともだちが できて みんな うれしそうです。 「ななこちゃんの かんげいかいを しましょう。」 みんなが いいました。 | ![]() |
![]() | ちいさな ようせいたちは ななこちゃんの ために ジュースを つくろうと たくさん くだものを もって やって きました。 ななこちゃんの ための ごちそうです。 「どうして みんな はじめて あったのに こんなに しんせつに して くれるの?」 「だって ななこちゃんの よろこぶ かおが みたいんだもの。」 ちいさな ようせいたちが こたえました。 ななこちゃんは うれしくて ジュースを いっぱい のんで しまいました。 「それでは こんどは みんなで かくれんぼを しましょう。 わたしが おにに なるから みんな かくれて いいですよ。」 と はなの ようせいが いいました。 |
それを きくと みんなは あっと いうまに おはなの かげに かくれました。 ななこちゃんも いそいで おはなの かげに かくれました。 でも みんな すぐに はなの ようせいに みつかって しまいました。 | ![]() |
![]() | 「こんどは おにごっこを しましょう。」 はなの ようせいが いうと 「こんんどは ななこちゃんが おにに なる。」 と ななこちゃんが いいました。 「えっ ななこちゃんが?」 みんなは おどろきました。 「どうして おになんかに なるの?」 と みんなは ななこちゃんに たずねました。 「だって みんなの よろこぶ かおが みたいんだもの。」 と ななこちゃんは こたえました。 |
みんなは ななこちゃんが こころの やさしい こだと おもいました。 それで ようせいの おうじょさまが ななこちゃんを ようせいに したんだと おもいました。 ちいさな ようせいたち みんなは そら たかく のぼりました。 とりさんが やって きて びっくりぎょうてんしていました。 ななこちゃんは たのしくて たのしくて いつまでも とびまわって いました。 | ![]() |
![]() | あまり とびまわって いたので みんな つかれて しまいました。 ちいさな ようせいたちは おはなの うえに まいおりて おはなの つぼみの なかで おひるねを しました。 ななこちゃんの まわりに みんな よりそって しあわせそうに ねて しまいました。 |
しばらく ねて いると どこからか かすかな こえが きこえて きました。 「ななこちゃん。」 「あっ こうのとりの こえだ。」 みんなも 「きこえる きこえる。」 と いいました。 ななこちゃんが みあたらないので こうのとりが しんぱいして さがして いるのです。 「もう いかなくては。」 ななこちゃんは いいました。 | ![]() |
![]() | 「また あそびに きても いい?」 ななこちゃんが たずねました。 「でも にんげんに なったら ようせいで なくなっちゃうから わたしたちの ことなんて きっと わすれちゃうよ。」 ちいさな ようせいたちが いいました。 「ぜったいに わすれない!」 ななこちゃんは おおきな こえで いいました。 「さようなら また くるね。」 |
ななこちゃんは こうのとりの こえの する ほうへ ようせいの くにの おはなばたけから でて いきました。 すると ななこちゃんの せなかの はねが きえました。 「さようなら また あそびに きてね。」 ちいさな ようせいたちは ななこちゃんに てを ふりました。 | ![]() |
![]() | ななこちゃんが いって しまうと ちいさな ようせいたちは 「ななこちゃんは わたしたちの ことなんか すぐに わすれちゃうよ。 もう ようせいじゃあ ないんだから。」 「そうだよね。はねが ないんだものね。」 と かなしそうに いいました。 |
すると そこに また ようせいの おうじょさまが あらわれました。 そして いいました。 「だいじょうぶ。ななこちゃんは こころが ようせいに なりましたからね。 はねなんか なくても いつまでも みんなの ことを わすれませんよ。」 ちいさな ようせいたちは あんしんしました。 「そうだよ。ななこちゃんは ようせいの こころを もった ステキな にんげんに なるよ。」 「そうすれば きっと また あそびに きて くれるよ。」 | ![]() |
![]() | ななこちゃん ようせいの こころ わすれないでね! |
ななこちゃんは すずきさんふじんかの すずきせんせいの おかげで しんちょう 47センチ たいじゅう 3200グラムで たんじょうしたのでした。 おとうさんと おかあさんは ななこちゃんが うまれて だいかんげきでした。 おじいちゃんや おばあちゃんが ななこちゃんの たんじょうを おいわいして くれました。 それを みとどけると こうのとりは まんぞくそうな かおを して かえって いきました。 | (No Printed) |
注:実際の絵本では、全て黒色の文字・数字で印刷されます。
文書のレイアウト・改行・フォントなどは若干異なります