【ゴルフの本】サンプル
ゴルフ・プレー あなたに贈るお話しの本 ニコラス・グリーンジャケット作 あき よしこ訳 | |
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![]() | これは、比類なきゴルファー 田中一郎のために 特別に書かれた本です。 2008年6月吉日 |
ゴルフは18世紀の初めにスコットランドで 生まれた競技であることは、よく知られています。 ささやかに始まったこの競技は、その後 世界中に広まり、今や人気スポーツとなっています。 ボビー・ジョーンズのような 伝説的なスタープレーヤーも生まれました。 そして日本でも、国内のツアーにあきたらず、 海外のメジャー大会を目指すプロが 増えています。 ゴルフは世界中で、さまざまな形で プレーされているのです。 いっちゃん流ゴルフも そのうちのひとつです。 | ![]() |
![]() | いっちゃんは、 しんちゃんやさっちゃんやごろちゃん たちと お気に入りの川奈カントリークラブに よくでかけます。 ここで安全なのは、 フェアウェイの真ん中だけ。 そのほかの場所では、 虫も木も鳥もモグラでさえ みんな死の危険に されされてしまうのです! |
他人のうわさとは裏腹に、 いっちゃんはケチるということがありません。 子供の教育費、家のローンなど あまりたいしたことのないところに 少し細かいところがあるかもしれませんが・・・・・ ゴルフのこととなると話は違います。 | ![]() |
![]() | いっちゃんは以前、 「ゴルフは勝つためにする競技だ」と教わりました。 それ以来、いつも賭けて プレーすることにしています。 スウィングは チャーシューメンのリズムで打つことや ゴルフボールはけっして水に浮かばないことなども、 いっちゃんは 何年もかけて、体得したのです。 |
いっちゃんの生活の中で ゴルフがいちばん大事というわけではありません。 彼は何を優先させるべきか、 物事のバランスをどうとるかを心得ています。 かつていっちゃんが 嵐の中で全コースを回ったという事実はありません。 彼が17ホール回ったとこで、 ゴルフ場がクローズになってしまっただけなのです。 | ![]() |
![]() | ゴルファーは誰でも、パーフェクト・ラウンドを 夢見ています。 ティーグラウンドから フェアウェイの真ん中に飛ばし、 グリーンをねらって正確に打ち、 パットはカップの中心へ・・・・・ こんなシンプルで謙虚なものです。 自分の年齢だけ打つことを、 究極の目標にしている人もいます。 いっちゃんが60を打つのはたやすいことです。 問題は、最初の数ホールでその目的が 達成できてしまうことなのです。 |
ゴルフの名手といわれる人は、いかなる場合にも、 各種のショットで対応できます。 例えば、フェード、ドロー、パンチ・ショット、 ランニング・アプローチ、というように。 いっちゃんも多彩なショット・・・・・例えば チョロ、テンプラ、ドスライス、ドフックなどを 繰り出します。 彼の持つ最高のショットは、 しんちゃんとさっちゃんとごろちゃん 命名の ”まぼろしの一撃”です。 | ![]() |
![]() | 以前、ゴルフにハンディキャップ・システムが 導入されました。 これはゴルフの腕前に差がある人同士でも 一緒に競えるように考えられたものです。 プレー最後の20ラウンドのうち 成績のよい10ラウンドをとり、 その人のハンディを計算するのです。 いっちゃんにとって、 このシステムは大きな欠点があります。 彼は数える価値のある10ラウンドを 回ったことがないのです!? |
いっちゃんがゴルフをする理由のひとつは、 運動のためです。 ほかの運動はどれもいっちゃんには不向きでした。 泳ごうとすれば体が浮かず、 テニスをやればネットにボールの行く手を阻まれ、 さっさと切り上げたのは、よかったのですが、 彼はホトホト疲れてしまいました。 いっちゃんのように ほどよく鍛えられた肉体の持ち主には、 ゴルフはぴったりの運動だったのです。 | ![]() |
![]() | ゴルフのラウンドを回りおえると、 いつもいっちゃんは しんちゃんやさっちゃんやごろちゃんと 「19番ホール」に現れます。 そこでその日のショットについて話し合ったり、 次の日程を決めたりするのです。 おなじみのシーンではありますが、 いっちゃんは仲間と 一杯ひっかけます。 それから、いかに今日はついていなかったか、 あそこにバンカーがなかったら、 あのショットさえうまく打っていればと いつものことをあれこれ話し合い 賭けの借金を、作り笑顔で払います。 |
ゴルフの腕はたいしたことがないのですが、 いっちゃんはときに 素晴らしいショットを繰り出します。 以前、ディープ・バンカーから打ったショットが 奇跡的にチップインしたことは、 いまだにみんなの語り草になっています。 手の5番を使ったって、 あんなショットは打てないですよね!? | ![]() |
![]() | いっちゃんは友だちも、 ゴルフも大好きだからこそ、プレーするのです。 みんなで出かけて、自然の中で 緊張から解放されるチャンスでもあります。 いっちゃんは こんなことを言ったことがありました。 「ゴルフボールを打つたびに、 ストレスが解消されてゆくんだ」 事実、ゴルフをするたびに、 本当にたくさんのストレスが解消されるのです。 |
いっちゃんはいつか 自分のゴルフの本を書くことを夢見ています。 「3歩前進2歩後退 ―いっちゃんのゴルフ人生辛抱だ」 「ゴルフにおける能書きとスコアの相関関係 ―いっちゃん著」 「いっちゃんの 19番ホールの楽しみ方」 | ![]() |
![]() | いっちゃんは何年間も 自分のゴルフに挫折感を味わってきたにも関わらず、 いまだにゴルフを続けている、 その根性は見上げたものです。 彼は我を忘れて 1日中、原野や森林を走り回るのです。 だからこそ 賭けに負けたときの支払いが きれいなことはさておき、 いっちゃんは かけがえのないゴルフ仲間なのです。 |
ゴルフは、田中一郎にとって まさにチャレンジなのです。 しんちゃんやさっちゃんやごろちゃんが いっちゃんに どうしてゴルフをするのか問いかけます。 その答は明白です。 ティーショットがうなりをあげて、飛んでいく瞬間。 アイアンショットがピンにからんでいく瞬間。 ロングパットがラインどおりに カップに吸い込まれていく瞬間・・・・・ いっちゃんにとって そんなありふれた出来事はともかく、 ロングホールでセカンドショットが 直接カップインするような 奇跡の主人公になる為にゴルフを続けているのです。 | ![]() |
![]() | 田中一郎 様 自分流のゴルフを楽しんでください。 スコアが悪いからといって、 その日を棒にふるようなことがないように。 ゴルフをボウリングと同じように考えたら いいと思います。 スコアが高いほどいいんだってくらいに・・・・・ 2008年6月吉日 ゆうちゃんより |
いっちゃん、ホールインワンおめでとう! ますますの活躍、期待してます! ゆうちゃんより 2008年6月吉日 | (No Printed) |
注:実際の絵本では、全て黒色の文字・数字で印刷されます。
文書のレイアウト・改行・フォントなどは若干異なります